HAYDEN PEDIGO
THE HAPPIEST TIMES I EVER IGNORED
テキサスのギタリストHAYDEN PEDIGOは人間界でもっとも危険な男のひとりである。彼の人生そのものは演技であり彼が主役の映画こそが彼の人生でそして僕らは彼の人生を飾る出演者である。ただのウェスト・テキサスのギター弾きによるただのインスト・ギター・アルバムであるのにまるでパンクスの溜まり場でからかわれながら弾いたギター一発でその場の者全員泣かしたDURUTTI COLUMNのごとく...いや彼は絶対にテンガロンハットなどかぶらなかったであろう。だから現代では生きてはいけない。確かに生きにくい世の中と愚痴さえ吐いていれば生きていくことの出来る現代はあの時代より生ぬるいかもしれないがその先には見えぬ戦いに勝利した者しか生きていない時代が待っている。それを十分に理解しているHAYDEN PEDIGOは今日もテンガロンハットをかぶり世界相手に演じる。勝利するために映画の主役は彼なのだ。2023年に生まれた傑作のひとつ。