JACK J
OPENING THE DOOR
随分前から指摘しているように世界のエレクトロニック・ミュージシャンはおそらくあと10年くらいは同じことをしていても生きていけるであろうその恵まれた環境に鎮座せず進むべき道をいち早く発見した者のみ未来とカルチャーを掴みとる。パンデミックを経て"わかっている"者たちの数人かが行動を起こし素晴らしい作品を発表しているがそしてMood Hut組。正直個人的にはそのままそのぬるま湯に浸かり溺れていくのであろうと思っていたのだけど土地柄のDIYスピリッツからであろう。完全に見つけてしまっている。そしてそのメイン・キャラであるはずのJACK Jの2022年に発表した本人初となるフルレングスは昨年のSUZANNE CRAFTのあっと驚くアルバムに被せて全てを自分の物にしてしまうかのようなドリーム。ネオアコゾンビには出来ない軽やかな疾走感、田舎のエレクトロニック・ミュージシャンからは指を刺されそうな危なかしいヴォイス、だからこその反逆精神とだからこそのドリーム、TORO Y MOIの素晴らしいのに何か惜しいいラインを埋めるインディペンデントなどなど、もうこれでいいんじゃないかと今日もターンテーブルに乗せるであろう2022盤。初回プレスは即完売した模様です。