PEEL DREAM MAGAZINE

=BACK IN=　NYCのニュー・バンドPEEL DREAM MAGAZINE、隠れた秀作2018年アルバム、先行となった2020年限定12"シングルの素晴らしさに続き、2020年アルバムはそれさえ超える、なにかの希望。さらなる超STEREOLABと思いきやMY BLOODY VALENTINEの大事なところを被せてきながら一切コピーにはなっていない。そのセンスはMY BLOODY VALENTINEがあれを発明した功績と同じことだとなぜ気づかないのだろう。そして2020年にこの冒頭曲"Pill"に打ちのめさなければ悪い意味で着実に年齢を重ねたのであろうし、もしも若くて反応がないのであれば間違いなく未来は単純な出来事で埋め尽くされる。だったら2曲目はどうだ。"Emotional Devotion Creator"のイントロ後の疾走に誰もが背中を押される。背中もハートも痛くも痒くもないと言うのであれば、ああコロナがなくともコロナな人生になってしまうよ。そもそもコロナとはそれを我々に教えてくれることしか意味のない最悪なものだ。そして僕らがもしそれにさえ気づかないのであれば彼らはきっとまた襲ってくるだろう。PEEL DREAM MAGAZINEのシューゲイズでもクラウトロックでもないこの2020年のレコードは、戦いは続く今だけのことじゃない、と我々に気づかせてくれる為に作られた傑作盤だ。