THESE NEW PURITANS

2007年、UKインディ・ギター・バンド・ムーブメントの真っ只中に登場しもちろんエディ・スリマンも彼らに夢中になった直後、まるでその喧騒をあざ笑うかのごとく独自の世界へと没頭していったアート・インダストリアル・ロック・バンドとなったTHESE NEW PURITANS。その彼らが2009年に発表した彼らの個性を決定づけた傑作2ndアルバム「Hidden」の10周年記念として制作されたその時のセッションからの新曲や未発表曲、同時代のライヴ音源を収録した本作は、ただのアンソロジー的な作品ではなくその後止まらず時代とともに進化しながら大衆からは遠くの位置で独自となった現代の彼らと同じ背丈にアップデートさせたかのような、ストリングスによるクラシカル・ミュージック、和太鼓はじめ数々の打楽器、13人編成の金管と木管によるミニマム・ヘヴィ・ビート、さらには児童合唱団やピアノによる耽美ニューウェイブに、一過性ではないエレクトロニック・アタック。彼らがさらなる正当な評価を得れないのは素晴らしく美しさを保つルックスへの嫉妬としか思えないと思われる、20年後への評価を待たぬとも今もっとも打ちのめされるこれは新作。